イマージョン教育とは?英語で授業が受けられる小学校中学校

日本でも注目度が高まっている「イマージョン教育」。

英語教育に関心のあるママ・パパの間では話題にあがることも多いですよね。

でも、実際のところ「どんな教育なのかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、

  • イマージョン教育って何?

  • 実際にどんな学校があるの?

という疑問にお答えしながら、英語イマージョン教育についてわかりやすく紹介します。

 

イマージョン教育とは

学校

「イマージョン教育(immersion education)」とは、

母国語(日本語)以外の言語を使って教科を学ぶ教育方法です。

この記事では「英語イマージョン教育」に絞ってご紹介します。

 

つまり、英語を「教科」として習うのではなく、英語で算数・理科・社会などの教科を学ぶスタイル。

子どもたちは“英語漬け”の環境の中で、自然と英語力を身につけていきます。

 

イマージョン教育の歴史と日本での広がり

イマージョン教育は、1965年にカナダで始まった外国語教育法です。

その後、アメリカやヨーロッパ各国でも広まりました。

日本では1994年に静岡県の加藤学園が初めて英語イマージョン教育を導入

現在では全国に導入校が広がっていますが、

まだまだ数は限られており、首都圏中心に少数の私立校で行われています。

 

イマージョン教育の種類と内容

イマージョン教育にもいくつかのタイプがあります。

母国語と外国語の使用比率によって分類されます

完全イマージョン全ての教科を英語で行う
部分イマージョン一部の教科を英語で行う
二言語同時学習イマージョン英語と日本語、半々で行う
双方向イマージョン英語を母語とする生徒と日本語を母語とする生徒が半々で授業に参加する

 

イマージョン校は、日本の学習指導要領に沿ったカリキュラムを英語で教えることが多く、

インターナショナルスクールとは異なります

教師と児童の双方向のやりとりが重視されており、

「アクティブラーニング」(能動的学習)の土台となっています。

 

イマージョン教育のデメリット

学校の廊下

さて、ここからはイマージョン教育のデメリットについて考えみます。

 

費用が高額

多くのイマージョン校は私立校です。

以下は文部科学省の調査による、年間の学習費総額です:

  • 公立小学校:32万円程度
  • 私立小学校:160万円程度

イマージョン校はさらに高い傾向があり、入学金だけで100万円を超える学校もあります。

外国人講師の確保なども含めて、相応の費用がかかります。

 

日本語力の心配

英語で過ごす時間が長いため、「日本語力が伸びないのでは?」と不安になる方もいます。

実際は、多くのイマージョン校が国語の授業を設けており、

家庭でのフォロー次第でバランスよく伸ばすことが可能です。

読書や会話などで日本語に触れる時間を大切にすることがポイントです。

 

将来的に日本の教育制度に合わない可能性

イマージョン教育では、考える力・表現力を重視します。

そのため、日本の「詰め込み型教育」とはスタイルが異なります。

 

ただし、近年は日本の教育も変化しつつあり、

海外進学など進路の選択肢も広がっているため、極端な心配は不要かもしれません。

 

イマージョン教育のメリット

授業中の教室

ここからは、イマージョン教育のメリットをお伝えしていきます。

英語力の向上

毎日、授業・休み時間・ランチタイムまで英語で過ごすため、自然と英語力が伸びます。

「学ぶための英語」ではなく、「英語で学ぶ」環境がここにあります。

 

異文化への興味が高まる

イマージョン教育の学校では、ほとんどが日本人の児童・生徒です。

では、異文化への興味はどう育まれるのでしょうか。

多くの学校では、世界各国の文化を積極的に教え、日本文化も体験学習を通じて学びます

さらに、指導する先生は各国から来ているため、自然と異文化への関心が高まります。

異文化理解は今後ますます重要になります。

イマージョン学校ならではの貴重な体験が、子どもたちの視野を広げるのです。

 

理解力・柔軟性が高まる

言語のスイッチング(切り替え)を日常的に行うことで、理解力や語彙力もアップします。

「英語でわからなければ日本語で補足」といった柔軟な思考も身につきます。

 

イマージョン教育で英語を学ぶ意味

授業中

イマージョン教育の魅力は、無理なく自然に英語を身につけられる点です。

そして「英語が話せればOK」ではなく、

日本人としてのアイデンティティを保ちつつ英語を使いこなす”という意識がベースにあります。

 

イマージョン教育を受けられる小学校・中学校

学校の校舎

最後に、現在イマージョン教育を受けられる主な小学校・中学校の一覧です。

 

ホライゾン学園仙台小学校宮城http://www.horizon.ac.jp/sendai/primary.html
星美学園小学校東京https://www.el.seibi.ac.jp/index.html
玉川学園小学部・中学部東京https://www.tamagawa.jp/academy/elementary_d/
啓明学園初等学校東京http://www.keimei.ac.jp/primary/
LCA国際小学校神奈川http://elementary.lca.ed.jp/
横須賀学院小学校神奈川https://www.yokosukagakuin.ac.jp/primary/index.html
開智小学校埼玉https://kaichigakuensougoubu.com/
西武学園文理小学校埼玉https://www.seibubunri-es.ed.jp/
暁星国際流山小学校千葉http://www.gisn.jp/
暁星国際小学校千葉http://primary.gis.ac.jp/
昭和学院小学校 千葉http://www.showagakuin.jp/
ぐんま国際アカデミー初等部・中等部群馬https://www.gka.ed.jp/
加藤学園暁秀初等学校静岡http://www.katoh-net.ac.jp/Elementary/index.php
聖隷クリストファー小学校静岡https://www.seirei.ac.jp/elementary-school/
八町小学校(公立)愛知https://www.city.toyohashi.lg.jp/40605.htm
英数学館小学校広島https://www.eisu-ejs.ac.jp/elementary/
就実小学校岡山
リンデンホールスクール小学部・中学部福岡http://e.lindenhall.ed.jp/

※各学校の教育方針や入試情報は公式サイトをご確認ください。

まとめ

おもちゃの車

イマージョン教育は、「英語を使って学ぶ」ことで、自然に英語力を育てる新しい教育スタイルです。

費用や日本語のフォローなどの課題もありますが、その分だけ得られる経験は大きいと言えます。

 

英語を道具として使いこなせる日本人」を目指したいご家庭にとって、

イマージョン教育は大きな選択肢のひとつになるかもしれません。