近年、幼児・小学生の英検受験者が増加しています。
おうち英語をやっているご家庭でもお子さんが受験するケースが多いですよね。
英語教室などでも積極的に受験をすすめられたりします。
でも、
そう思っていませんか。
幼稚園児や小学校低学年のお子さんでは試験を受けること自体が初めて。
当日はどんな流れで試験が行われるのか非常に心配ですよね。
わたしもみなさんと同じように、子供が英検を受験するときにはネットで色々調べました。
でも、幼児の受験体験記ってあまりないです。
初めての受験は子供も、そして親も緊張するもの。
事前に少しでも多くの情報が欲しい気持ちはよくわかります。
そのため、この記事では、幼稚園生や小学生で英検を受けるときの参考になるように、
受験日までに最低限やっておくべきこと
受験日当日の持ち物(必須のものがあるのでお伝えします)
受験日当日の流れ
特に、娘が試験当日に持っていき、非常に役に立ったものがあるのでぜひ参考にしてください。
これから英検を受験する親子共に、少しでも安心して英検にのぞめることを願いこの記事を書いています。
少しでもお役に立てればうれしいです。
英検とは(従来型とCBT)
英検とは、正式名称「実用英語技能検定」。
公益財団法人日本英語検定協会が実施する英語技能の検定で、一般に英語検定または英検と呼ばれます。
学生の時に受験したことがある人も多いのではないでしょうか。
誰でも受験可能で幅広い層の受験者がいます。
英検は7つの級があり、それぞれの級の特徴は以下の表の通り。
5級 | 4級 | 3級 | 準2級 | 2級 | 準1級 | 1級 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
学年目安 | 中学初級 | 中学中級 | 中学卒業 | 高校中級 | 高校卒業 | 大学中級 | 大学上級 | |
題材例 | ・家族 ・学校 ・友達 | ・趣味 ・旅行 ・天気 | ・趣味 ・食事 ・旅行 | ・文化 ・歴史 ・自然 | ・歴史 ・教育 ・医療 | ・医療 ・芸術 ・政治 | ・科学 ・政治 ・環境 | |
試験時間 | 筆記 | 25分 | 35分 | 50分 | 75分 | 85分 | 90分 | 100分 |
リスニング | 20分 | 30分 | 25分 | 25分 | 25分 | 30分 | 35分 | |
面接 | ー | ー | 5分 | 6分 | 7分 | 8分 | 10分 | |
受験方法 | 本会場、準会場 | 本会場、準会場、CBT(準1級は準会場はなし) | 本会場 |
受験方法にある「準会場」とは、中学・高校・英語教室などの申込団体単位の会場のことです。
通っている英語教室が準会場となっている場合は、いつもの通い慣れた教室で受験することができます。
お子さんが嫌がらなければ目安にもなるので受験するのも良いでしょう。
英検の受験方法は2つ
英検の受験方法は2つあります。
以下で説明します。
従来型(本会場 or 準会場で受験)
本会場、または準会場にて1次試験を行い、その合格者に対して後日2次試験(面接試験)を指定された別の会場で行う方法です。
英検を受験する際はこの方式で受験する人が大半でしょう。
一般的な受験方法です。
海外では、イギリス(ロンドン)・アメリカ(ニューヨーク・ロサンゼルス・ホノルル)の4カ所の公開会場でも受験できます。
CBT
英検CBT(Compure Based Testing)は、コンピュータによる受験で4技能を1日で測定する方法です。
4技能とは、スピーキング、リスニング、リーディング、ライティングのこと。
準1級・2級・準2級・3級が受験できます。
もちろん、英検と同じ試験として結果を利用可能。
全国にある会場で主に毎週土日に開催されており、都合に合わせて受験ができます。
平日に開催している会場もあります。
受験方法まとめ
上記2つの受験方法をまとめてみます。
従来型 | CBT | |
---|---|---|
開催地 | 全国多数 | 全国多数 |
開催回数 | 年3回 | 毎週土日 会場によっては平日も |
解答方法 | マークシート | コンピューターに入力 |
ライティングの解答方法 | 手書き | タイピングor手書き(選択可) |
スピーキングテスト | 1次合格者のみ別日に実施 | コンピューターに吹き込み |
保護者の手伝い | 個人情報の記入を手伝える | 手伝えない |
受験方法別の受験回数
英検(従来型)は年間3回の実施です。
それに対し、「英検CBT」は試験日が多く、都合にあわせて受験日を選択できます。
ただし、同時回(第1回/第2回/第3回)で同じ級をお申込みできる回数には上限があります。
*公式サイトでご確認ください
幼稚園児・小学生におすすめの受験方法は?
従来型と比べたときにCBT受験で必要となるのは、
② スピーキングテストが吹き込み式
③ 個人情報の記入は受験者本人(保護者は手伝えません)
の3つです。
コンピューターの操作については、子供の順応性を考えると少し練習すればすぐに慣れるので問題ないはず。
ただ、吹き込み式のスピーキングテストだと子供のトラブルに対応してもらえませんし、臨機応変な対応はしてもらえませんよね。
その点は少し心配が残ります。
そして盲点なのが、個人情報の記入を受験者本人がしなければならないこと。
住所や電話番号など教えればできるでしょうけど、幼稚園生には難易度が高いですよね。
以上のことから考えて、
小学校高学年くらいになれば、CBT受験も可能でしょう。
従来型を基本として、日程がどうしても合わないときは、CBT受験で対応すればよいのではないでしょうか。
幼児・小学生が英検受験するメリット・デメリット
低年齢での英検受験。
賛否両論あるかと思いますが、まずはデメリットについて述べてみます。
幼稚園生・小学生が英検受験するデメリットは?
不合格だったときに落ち込んで英語が嫌いになる
お子さんの性格によりますが、不合格だったときに落ち込んでしまう子もいます。
ですから、英検受験で気をつけなければならないのは、受かりそうだと思ってから受けること。
ただ、中には不合格をきっかけにやる気になる子もいるので難しいですね・・・
英検の勉強だけに時間を使うと他のことが疎かになる
もちろん目標に向かって勉強することは良いことですが、遊びだったり、英語以外の勉強だったりと大事なことは他にもたくさん。
特に小学校低学年であれば、国語、算数など力を入れて取り組まなければならないことが多々あります。
英検対策をするにしても、集中的に短期間で行ったり、ほどほどにする必要があるかもしれません。
幼稚園生・小学生が英検受験するメリットは?
合格が自信になる
人よりも得意なことがあると、それは自信につながります。
英検に合格していることが、子供の自信につながると、さらに英語力を伸ばすことにも良い影響を与えるでしょう。
もちろん英語だけではなく、その子の人生そのものにも影響してきます。
英検を目標に英語を勉強する意欲につながる
目標があることは良いことです。
目標に向かって努力をしたり、達成感を味わったりという経験を重ねていくことは重要ですよね。
小さいうちはそのような経験をする機会があまりありません。
ですから、せっかく英語を学んでいるのであれば、英検でその機会を作るのも良いのではないでしょうか。
中学受験に使える
入試で優遇されたり、入学後のクラス分けで利用されたりします。
中学受験を考えているのであれば、受験勉強が本格化する前の小学校低学年のうちに目標の級に合格する必要がありますね。
中学・高校・大学留学に使える
留学する際に、英検の成績により入学資格が得られる学校もあります。
英語の勉強を先取りできるので他の教科の勉強に時間をまわせる
英検に合格するということは、英語の勉強を先取りしていることになります。
学校の授業よりも一歩も二歩も先を行くことで、いずれ英語以外の勉強に時間を割くことができます。
英検準2級の受験体験
ここからは、娘の受験体験を記していきます。
準2級の受験の時のことを中心に書いています。
英検公式サイトで過去問をダウンロード
前述のように、低年齢での英検受験は受かりそうだったら受験するのが良いです。
我が家も、受験するかしないか判断するため、過去問を英検の公式サイトからダウンロードしました。
過去問は各級とも過去3回分ずつ公式サイトからダウンロードできますよ。
結果としては、合格ラインを超えていたので、受験することにしました。
英検申し込み、本会場と準会場はどちらが良いのか?
娘が、5級、4級を受験したときは本会場で受験しました。
3級と準2級は準会場で受験しました。
娘は英語教室等には通っていないので、本来、本会場しか選択肢がありません。
では、なぜ準会場で受験できたのか?
それは、英語教室に通っていない外部生でも受験できる英語教室を探したからです。
このように英語教室に通っていないお子さんでも、準会場を見つけられればそこで受けるのが良いですよ。
もちろん、現在英語教室に通っていて、そこが準会場に登録されているのであれば、絶対にそこで受けるべきです。
なぜなら、
・受験料が本会場よりも安い
・受験場所があらかじめ決まっている(本会場だと直前に送られてくるハガキで受験会場がわかります)
・受験会場に知り合いがいればリラックスした雰囲気で受験できる
という利点しかありません。
ただ、知り合いと一緒に受験するのが苦手、という人もいるかもしれません。
その場合は本会場で受験しましょう。
英検受験に向けての準備(幼稚園児・小学生向け)
さて、受験に向けての準備をしましょう。
英検を申し込んでから1ヶ月ほど時間があるので準備期間は十分です。
英検公式サイトで受験準備
英検の公式サイトには役立つ情報がたくさん掲載されています。
その中でもおすすめのページが以下の2つ。
英検 for kids!
英検 for kids! は、英検にチャレンジしたいお子さんと保護者の方のためのページ。
英検の準備や当日の流れなど、知りたい情報が詰まっています。
受験前に読んでおくとスムーズに受験できるでしょう。
スタディギア for EIKEN
スタディギア for EIKEN は、英検受験者が無料で使える学習サポートサイトです。
一部、有料プランもありますが、無料で使える部分だけで十分です。
スマホやタブレットで使用できるので便利ですよ。
マークシートを塗る練習
初めての受験の場合、マークシートの塗り方を練習しましょう。
すぐに上手に塗れるようになります。
マークシートの解答用紙は英検の公式HP上でダウンロードできますのでプリントアウトして活用するのが良いです。
なお、解答用紙には住所などの個人情報を記述するところがあります。
本会場、準会場では付き添いのおうちの人が記入することができますので心配しなくて大丈夫です。
時計を読む練習
幼稚園生くらいですと、時計が読めないお子さんもいるでしょう。
5級、4級、3級だと時間が足りなくなるということはあまりないと思いますので、読めなくても問題です。
ただ、目安として時間が分かった方が便利かもしれません。
この機会に練習してみてはいかがでしょう。
整序問題(5級・4級)
英検の問題はだいたい直感的に答え方がわかると思うのですが、整序問題は答え方が特殊ですよね。
初めて受験する場合はやり方を教えましょう。
ライティング(3級~)
3級からはライティングが入ってきます。
英検のライティングは書き方の型があるので、コツを教える必要があります。
我が家では、文章を論理的に書けるようにと日本語で日記や文章をよく書いていました。
英語で日記や手紙も書いていたりと書くことには慣れていました。
そして受験前のこの時期は、ライティングを意識して自分の意見に対し2つの理由が言えるようにしていました。
練習というよりは、日常会話でちょっと意識した感じです。
特に英文にしたりもしませんでした。
話題は、ニュースで見たことや、図鑑に載っていたことなど。
理由をすぐに考えるクセをつけることを意識していました。
準2級の問題になるとけっこう難しい話もでてくるので、
「よくわからないことも、どうにか考えて答えを出す」という姿勢が必要です。
英検受験当日の持ち物(幼稚園生・小学生向け)
受験票に記載の持ち物
まずは、受験票に書かれている持ち物について確認しましょう。
以下の4つです。
- 受験票(1級~3級は証明写真も忘れずに)
- 身分証明書(1級~3級)
- 鉛筆、消しゴム
- うわばき(会場による)
受験票に記載はないがあると便利な持ち物
次に受験票に記載はありませんが、持っていくと便利な物をご紹介します。
お食事クッション
年少者が受験するときの悩みのひとつは、試験会場にある机の椅子が低い、ということではないでしょうか。
英検の本会場は基本的に大学や専門学校が多いです。
そのため、机と椅子も大人用。
子供にとっては椅子が低すぎます。
そんな状態で試験を受けるのは困難ですよね。
そこで、受験会場にお食事クッションを持参することをオススメします。
お食事クッションはご存知ですか?
例えば、このようなものです。
お子様用 お食事クッション BIG ONE STAR チェアクッション 座布団 高さ 調節 キッズチェア ベビーチェア 子供 椅子
|
ご家庭で使っている人もいるかもしれません。
わたしは友達の家に遊びに行ったときに、これを使っているのを見て利用することにしました。
ちなみに、構造としては、中にウレタンのクッションが3枚入っています。
その3枚のクッションを組み合わせることで高さを3段階に調整することができるというスグレものなのです。
実際に当日会場に行ってみないと椅子の高さもわからないですので、その場で高さを調整できるところが気に入っています。
実家に行くときに持って行って使ったりもしています。
椅子が低いのを気にしつつの受験は子供にとって負担が大きいのでぜひ試してみてくださいね。
試験監督者に一言声を掛けてから取り付けましょう。
ただ、試験終了後に子供が一人でお食事クッションを取り外せなくて苦労していました。
取り付けはわたしが行ったので、外すときのことをあまり考えていませんでした。
試験終了後は保護者が教室に入れないこともあるので、クッションを外す練習もしておいた方が安心かもしれません。
メンディングテープ
試験中に机の角に置いておいた受験票が落ちてしまった経験ってないですか?
小さい子供はは多方向に注意を向けられませんから、受験票を落としてしまうことが多々あります。
そんな時に有効なのが、メンディングデープ。
試験会場に入り席に着いたら、メンディングテープで受験票を机に軽く固定してあげましょう。
そうすればお子さんも安心できると思います。
落とすと焦りますしね。
*会場によると思いますが、テープで固定しても良いか確認したほうが無難かもしれません。
腕時計
時計が設置されている会場が多いと思いますが、ないところもあります。
文字盤が読みやすく、秒針音がないものを選びましょう。
羽織るものなど
自分で調節できるように羽織るものなどを持っていきましょう。
特に夏はエアコンで寒いことが多いです。
飲み物
飲み物も必要ですが、長時間お手洗いに行けなくなるので少し飲ませる程度に。
暇つぶしグッズ
本来であれば、参考書などを持っていくのかもしれません。
ただ、小さい子供の場合は、試験開始までに飽きてしまわないことが大事です。
待ち時間が長いですからね。
時間が潰せるグッズを持っていきましょう。
娘は毎回塗り絵と色鉛筆を持って行っています。
親からすると緊張感ゼロでうらやましい限りです。
英検受験当日の流れ
ここからは、試験当日の流れを書いていきます。
試験会場へ
準2級の集合は、9:30でした。
好きな席に座れたので、本人の希望もあり一番前の席に座ることにしました。
試験監督者に断りを入れて、お食事クッションを取り付けました。
試験監督者に良く見える位置に座れると、子供も親も安心できるのでおすすめです。
試験のイントロダクションが始まるまでは、親は子供の席の隣で待機していられます。
必要事項の書き込み
着席してしばらくすると、マークシートの解答用紙が配られます。
住所などの個人情報を書くところは、やはり親の手伝いが必要です。
時間は十分にあったので、子供が自分で書けそうなところは自分で書き、住所の部分はわたしが書きました。
また、3級からは2次希望受験地のマークが必要。
2次希望受験地の一覧表は問題冊子に書かれています。
問題冊子が配られていない場合は、試験監督者に聞いて教えてもらいましょう。
親が退出したあとに子供がひとりで書くのは難しいです。
解答用紙にある個人番号と暗証番号を必ずメモ!
英検の合格発表はネット上でも行われます。
もちろん郵送されてくる結果を待てば良いのですが、早く結果を知りたいですよね。
ネットで結果を見たい場合は、英検idもしくは個人番号、それと暗証番号をメモしておく必要があります。
個人番号は解答用紙に記載されているものです。
暗証番号はその場で決めて解答用紙にマークするものです。
問題用紙にメモ欄があるので必ずメモしておきましょう。
問題用紙は持ち帰れます。
メモするのを忘れると、ネットで合否結果が見られないので注意してくださいね。
記入が終わったら、お手洗いとリラックスタイム
必要事項の記入が終わったら、可能であればお手洗いに一緒に行った方が安心です。
試験開始前にトイレタイムがありますが、一人で行かなくてはならないので。
試験のイントロダクションが始まるまでは、娘はは持参した塗り絵をやっていました。
少しでも退屈させないようにしていました。
そして、試験のイントロダクションのアナウンスが開始されるタイミングで、わたしを含め付き添いの親は退出しました。
ちなみに、準2級の試験会場では、親が付き添っている受験生は2割くらいでした。
試験終了
終了時間に迎えに行くと、「楽しかったよ~」と帰ってくる娘。
英検って楽しいものでしたっけ?(笑)
今は、「テスト」という位置づけで受けていないので特に復習もしません。
そのうち娘が意思をもって受験するようになったら、ちゃんと復習することも大事だと教えていきたいです。
幼稚園生・小学生で英検を受けるお子さん、保護者の方へ
冒頭にも書きましたが、この記事は、お子さんと保護者の方が少しでも安心して英検を受験できるようにと願って書きました。
英検も上手に活用して、お子さんの英語力アップにつなげられると良いですね。